年賀状に句読点がNGな理由とは?

公開日:2019年11月29日
更新日:2023年11月15日

一般的な文章には必ず句読点をつけますが、年賀状では句読点の使用はNGとされています。
ただ、句読点を使わずに文章を書くと読みにくくなってしまうため、文章の構成に悩んでしまう方が多いようです。

そこで今回は、年賀状に句読点を使ってはいけない理由や、句読点を使わずに読みやすい文章を書くコツをご説明します。
句読点以外にも、年賀状でやってはいけないNG事項もまとめましたので、これから年賀状を作成する方はぜひ参考にしてみてください。

年賀状に句読点をつけない理由と挨拶文の作り方

年賀状に句読点を使ってはいけない理由

日本では文章に句読点を使うのはごく自然なことで、むしろ句読点を使わずに手紙などを書くと「読みにくい」と嫌がられてしまいます。
そのため、文章を書くときは無意識に句読点を使うという方も多いのですが、年賀状に限っては以下の理由で句読点を使うのはNGとされています。

祝い事に区切りをつけてしまうため

年賀状は新年を迎えられたことを喜ぶおめでたい挨拶状です。
お祝い事や喜ばしいことはずっと続いて欲しいと思うのが人情ですので、年賀状の文章に句読点をつけるのは、「よいことに区切りをつける」という意味につながり縁起が悪いと考える人もいらっしゃいます。
特に日本では験担ぎの慣習が根強く残っていますので、年賀状に句読点を使うことはやめたほうがよいでしょう。

現代日本では文章に句読点をつけるのが当たり前ですので、句読点をつけた年賀状が届いたからといって目くじらを立てる人はほとんどいないでしょう。しかし、相手に敬意をはらうためにも年賀状には句読点を使わないほうが無難です。

相手に敬意を表すため

年賀状に句読点を使ってはいけないもう一つの理由として、毛筆文化の影響が挙げられます。

歴史的な文書からもわかるように、日本には古来より墨と毛筆を用いて文書を書く、毛筆文化があります。毛筆文化には句読点は存在しないため、「、」「。」を使用して文章を区切ることはありませんでした。

活字の使用が増え始めた明治時代以降、文章は読みやすさが重視されるようになり、句読点が普及し始めます。

句読点は「読みやすいように」と相手を気遣って使用する一方で、「句読点がないと文章が読めない人」と相手を見下すような意味合いが含まれてしまいます。そのため、年賀状では相手に敬意を表すため、句読点はあまり使用しない方が良いでしょう。

スペースの活用や文章構成を工夫!句読点を使わずに読みやすい年賀状を作るコツ3選

句読点を使わないのが年賀状のマナーと説明しましたが、句読点を使った文章に慣れている現代人にとって、やはり区切りのない文章はやや読みづらいものです。
そんなときはちょっとした工夫をこらして、句読点を使わなくても読みやすい年賀状を作成しましょう。

1. スペースや改行を上手に使う

長々と連なった文章は息をつく間がないため、一目見ただけで「読みにくい」という印象を与えてしまいます。そんなときは句読点の代わりに適度なスペースを空けましょう。
スペースを空ければ文章がひとかたまりにならず、すらすらと読めます。
また、適切なところで改行すると全体がスッキリし、読み手にストレスを与えずに済みます。

スペースは1文字分だとややぶつ切りの印象を与えてしまうので、半文字分くらいのスペースを空けることを意識しましょう。

2. 長すぎる文章は避ける

句読点を使わない場合、文が長すぎると読みにくくなってしまうので、長々とした文章を書くのはできるだけ避けたほうが無難です。
以下で具体的な文例を1つご紹介します。

改善前「○○(子の名)も今春からいよいよ小学校に入学することになり今からランドセルを背負って楽しみにしています」

改善後「○○も今春からいよいよ小学校に入学します 今からランドセルを背負って楽しみにしています」

3. 読みやすい定番フォントを使用する

ネットなどの年賀状プリントサービスを利用すると、メッセージに使用するフォントも自由に選べる場合がありますが、個性的なフォントを使うと読みにくくなってしまうことがあります。

読みやすさを重視するなら、年賀状の定番である楷書体や明朝体などの定番フォントを使うようにしましょう。
しまうまプリントでは、楷書体・明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体の4種の定番フォントをご用意しています。

年賀状で句読点を使ってしまった場合はどうする?

普段の文章では句読点を使っているため、年賀状でもうっかり使ってしまうこともあるでしょう。

ここでは、年賀状で句読点を使ってしまった場合の対処方法について解説します。

修正せずに新しい年賀状に書き直す

年賀状で句読点を使ってしまったからといって、修正ペンや二重線などで修正することはマナー違反です。

たとえ修正ペンで句読点が消せたとしても、修正した跡は残ってしまいます。見栄えがよくないだけでなく、相手に「書き直すのが面倒だったのかな」と思わせてしまい、気分を害する可能性もあります。

年賀状は、日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちと今後のお付き合いをお願いする、年に1度の大切な挨拶状です。誠意を伝えるためにも、句読点を使ってしまった場合は修正せず、新しい年賀状に書き直しましょう。

書き損じた年賀状は交換できる

書き損じた年賀状は、郵便局の窓口で切手やはがきに交換可能です。

年賀状の交換には、1枚につき5円の手数料がかかります。(※1回あたりの交換請求枚数が100枚以上の場合は、1枚あたり10円の手数料がかかります。)手数料は、現金もしくは切手で支払えますが、書き損じた年賀状から手数料を差し引くことはできません。

年賀はがきの販売期間内であれば、書き損じた年賀状を新しい年賀状に交換することも可能です。書き損じにより年賀状が足りなくなった場合は、年賀はがきの販売期間内に郵便局の窓口へ行き、交換してもらいましょう。

書き損じた年賀状の交換期限は設けられていません。前年度に書き損じた年賀状も、所定の手数料を支払うことで、通常の郵便はがきや切手などと交換できます。ただし、前年度までの年賀状を今年度の年賀状に交換することはできないので注意しましょう。

年賀状での句読点に関する疑問

年賀状にはさまざまなケースがあり、「こんな時はどうすればよいのだろう」と疑問に思うこともあるでしょう。

ここでは、年賀状での句読点に関する疑問を紹介します。年末に慌てないためにも、事前に確認しておきましょう。

横書きなら句読点は使える?

年賀状は縦書きが基本です。しかし、友人や家族など親しい間柄の人に送る場合は、横書きの年賀状を使用するケースも多く見受けられます。

横書きの年賀状を送るということは、それなりに近しい関係の相手であるため、読みやすいように句読点を使用しても問題ないでしょう。堅苦しい文章ではよそよそしさを感じる可能性もあるため、句読点にはこだわらず、気持ちが伝わる文面を心がけます。

とはいえ、年賀状では句読点は使用しないことが基本マナーです。相手との関係性によって判断する必要があります。

感嘆符や疑問符はあり?

自分の感情を表現する感嘆符「!」や疑問符「?」などは、カジュアルな印象があるため、句読点と同様に、年賀状での使用は避けたほうが無難です。

日本語の文章は、感嘆符や疑問符を使用しなくても通じることがほとんどです。たとえば、「お元気ですか?」の疑問符をとった場合、「お元気ですか」となりますが、相手の健康や様子を気遣う意味は伝わります。

カジュアルな文面でも問題がない、近しい間柄の相手であれば、感嘆符や疑問符を気にする必要はないでしょう。

メールやSNSで新年の挨拶をする場合は?

近年は、年賀状ではなく、メールやSNSで新年の挨拶を済ませる方も増えています。

メールやSNSで新年の挨拶をする場合でも、守るべきマナーは年賀状と同じです。基本的には、句読点は使用せずに新年の挨拶をします。

普段のメールやSNSでは句読点を使用しているため、新年の挨拶でも句読点を使用しがちです。相手に失礼がないよう、「句読点を使用していないか」「読みやすい文章になっているか」などを事前にチェックしてから送信しましょう。

賀詞の重複や筆記具など年賀状を作るときに気を付けたい5つのNG事項

句読点以外にも、年賀状を作るときに気を付けたいNG事項がいくつかあります。
いずれもうっかりやってしまいそうなことばかりですので、年賀状を書くときは十分注意しましょう。

1. 賀詞の重複はNG

新年を祝うために用いる賀詞は、年賀状1枚につき1回のみ使うのがマナーです。
賀詞の種類はいろいろありますが、よく見かける「新年あけましておめでとう」は「新年」と「あけましておめでとう」がそれぞれ独立した賀詞なので重複になってしまいます。

また、「賀正」や「迎春」といった賀詞の後に「あけましておめでとう」
とつなげるのも賀詞の重複にあたるので使用は避けましょう。

2. HappyNewYearに「A」をつけるのはNG

カジュアル系やポップ系の年賀状でよく用いられる「A Happy New Year」という賀詞ですが、実は頭に「A」を付ける必要はありません。
「I wish you a happy new year」のように文章として用いる場合は「A」が必要ですが、お祝いの言葉や挨拶では「A」は省略し「HappyNewYear」と記載するのが一般的です。

「MerryChristmas」や「HappyBirthday」に「A」をつけないのと同じと覚えておけば間違えないで済むでしょう。

3. ボールペンで年賀状を書くのはNG

日常的によく使用するボールペンですが、事務作業に使う物というイメージが強いため、新年のおめでたい挨拶に使用する筆記具としてはあまり適していません。
また、新年の挨拶は細い文字より太くて力強い文字のほうがふさわしいとされているので、筆ペンや油性ペンなどを使ってしっかり書きましょう。

4.忌み言葉はNG

忌み言葉とは、不幸が続くことを連想させる言葉です。縁起が悪く不吉な言葉であることから、新年を祝う年賀状での使用は避けたほうがよいとされています。

忌み言葉には「終わる」「失う」「去る」「滅びる」「病む」などがあります。「去年」にも「去る」が含まれているため、年賀状での使用はマナー違反です。「昨年」や「旧年」など、他の言葉で表現しましょう。

忌み言葉は、言い回しを変えたり、ひらがなで表記したりすることで避けられます。うっかり使用しないよう、言葉選びは慎重に行いましょう。

5.目上の方へ二文字の賀詞はNG

賀詞には「寿」「賀正」「謹賀新年」など1〜4文字の漢字で表すものと「あけましておめでとうございます」のように文章で表すものがあります。賀詞は、年賀状を送る相手によって使い分けることが必要です。

友人や家族など近しい間柄の方へ送る場合は、どの賀詞を使用しても問題ありません。しかし、一文字または二文字の文字数が少ない賀詞は相手に対する敬意や丁寧さを省略した表現であるため、目上の方やお世話になっている方に対して使用することは失礼にあたります。必ず四文字または文章の賀詞を使用し、相手を敬った丁寧な挨拶をしましょう。

相手に失礼のないよう、年賀状を作成するときは最低限のマナーを覚えておきましょう

最近は常識にとらわれないカジュアルな年賀状が増えていますが、句読点を使わない、賀詞の重複を避けるなど、最低限のマナーを心得ておくことは大切です。
スペースや改行を上手に使用したり、フォント選びを吟味したりすれば句読点がなくても読みやすい年賀状を作れます。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。

よくあるご質問

年賀状に句読点を使ってはいけないのですか?

年賀状では、句読点の使用はNGとされています。
年賀状の文章に句読点をつけるのは、「よいことに区切りをつける」という意味につながり縁起が悪いと考える人もいらっしゃいます。

こちらの記事内では、句読点を使わずに読みやすい年賀状を作るコツ、気を付けたいNG事項をご紹介しています。

句読点を使わずに読みやすい年賀状を作るコツはなんですか?

長々と連なった文章は息をつく間がないため、一目見ただけで「読みにくい」という印象を与えてしまいます。そんなときは句読点の代わりに適度なスペースを空けましょう。他にもこちらでご紹介しています。

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