取引先にも年賀状は出す?書き方やマナーなど気になる点を解説

公開日:2019年11月29日
更新日:2023年10月2日

自分が勤める会社の上司や同僚、部下に年賀状を送るのは社会人のマナーですが、取引先へ年賀状を送るべきかどうか悩ましいところです。
取引先には会社から年賀状を出すので個人的に送る必要はないと考える方も多いのですが、実は取引先への年賀状はビジネスマンにとって大きなメリットがあるコミュニケーションツールの1つともいわれています。

そこで今回は、取引先に送る年賀状の書き方や、年賀状を送るメリット、注意点などをまとめました。

取引先への年賀状は出したほうがよいの?書き方やメリットを解説

取引先に年賀状を送るメリット

メールやメッセージアプリの台頭により、年賀状のやり取り自体が減少傾向にある現在、わざわざ手間と費用をかけてまで取引先に年賀状を送る必要はないのでは?と考える人も少なくありません。
実際、仕事納めや仕事始めの際にメールのやり取りで新年の挨拶を済ませてしまう人も多いようです。

ただ、取引先に年賀状を送ると、ビジネスのうえで次の3つのメリットがあります。

1. より親密な関係を築くことができる

年賀状のやり取りは強制ではありませんが、日本の伝統的な風習の1つでもあり、書状で新年の挨拶をするのは最低限の礼儀だと思っている方はたくさんいます。
先方に喜んでもらうことで、今後より親密な関係を築くきっかけになり、礼儀を重んじる人だと好印象を抱いてもらえる可能性もありますので、ビジネスの上で大きなプラスになるでしょう。

2. 人脈を広げるきっかけになる

ビジネスの世界では、名刺をいただいたり、一緒に仕事をしたりした経験があるものの、その後関係が途絶えてしまったという人も多いでしょう。
一度疎遠になってしまうと、特に用事がない限りあらためて接点を持つのは難しいものですが、年賀状なら新年の挨拶という名目で気楽にコンタクトを取ることができます。

場合によっては年賀状をきっかけに付き合いが復活し、人脈が広がる可能性もありますので、ビジネスチャンスをつかみたい方にとって利点の多いコミュニケーションツールといえます。

3. ビジネスチャンスにつながる

年賀状の送り先の大半は友人や知人、親類関係のほかは会社の上司や同僚で、取引先に出す人は少ないようです。
そのぶん年賀状を出した人は先方の記憶に残りやすく、出さなかった人との間に差を付けることができます。

場合によっては年賀状をきっかけに付き合いが復活し、人脈が広がる可能性もありますので、ビジネスチャンスをつかみたい方にとって利点の多いコミュニケーションツールといえます。

ちょっとした工夫で好感度アップ!取引先への年賀状に添える一言例
写真プリントサービスを利用した場合、挨拶の定型文もあらかじめ印刷することが可能ですが、それとは別に手書きの一言を添えると先方の印象に残りやすくなるでしょう。

肝心の添え書きの内容ですが、以下3つの点をおさえておくと礼儀正しい年賀状に仕上がります。

①旧年中お世話になったことへの御礼
②変わらぬお付き合いのお願い
③先方の健康や幸せへの祈り

ただ、これだけだと一般的な定型文になってしまいます。先方の好感度をアップしたい場合は、相手の名前や一緒に関わったプロジェクト名などを明確に記載しましょう。

人は自分の名前を繰り返し呼ばれると「この人は自分に好意を持っている」と無意識に感じる傾向にあります。
これを「ネームコーリング効果」といい、年賀状でもあえて先方の名前を明記することによって、より自分を印象づけることが可能です。

以下に具体的な一言例をいくつか紹介しましょう。

「旧年中は××(業務内容)において○○さんの格別のご厚情を賜りましたこと御礼申しあげます」

「昨年は○○さんと××プロジェクトでご一緒し 非常によい勉強をさせていただきました」

「○○さんがおっしゃっていた新規プロジェクトの立ち上げに私もご協力させていただければ幸いです」

年賀状を出すのはどの範囲まで?

仕事でお世話になる取引先には、日頃から頻繁に連絡を取り合う方から、年1回〜2回ほど会う程度の方まで、さまざまな関係性があります。年賀状を取引先に送る場合、「いったいどの範囲の取引先に送るべきなのだろう」と疑問に思う方も多いでしょう。

ここでは、年賀状を出すべき取引先の範囲について紹介します。取引先へ送る年賀状は、今後のお付き合いに影響が出る可能性もあるため、相手に失礼のない対応を心がけましょう。

常にやりとりのあるお世話になっている方

いつもお世話になっている取引先には、必ず年賀状を送りましょう。新しく増えた取引先は、前回の年賀状リストには含まれていないため、送り漏れのないよう、新しい取引先も年賀状リストに加えるようにしましょう。

会社の名前や部署名は変わっていることがあるため、古い年賀状や名刺を見ながら書く際には注意が必要です。異動や昇級などで、お相手の肩書きが変わっていることもあるでしょう。

間違っている宛名は、相手に失礼にあたります。普段からやりとりがある取引先でも、会社名や肩書きなどが変わっていないか、最新の情報を確認してから年賀状を送りましょう。

今後お近づきになりたい方

新年の挨拶や日頃の感謝の気持ちを伝える年賀状は、ビジネスマンにとって大切なコミュニケーションツールのひとつです。いつもお世話になっている取引先だけでなく、これから取引をしたい方や取引が増えそうな方にも年賀状を送ると良いでしょう。

コミュニケーションのデジタル化やペーパーレス化に伴い、年賀状のやりとりが年々減少しています。その中で、今後お近づきになりたい取引先に送る年賀状は、他社と差をつけることができ、ビッグチャンスに繋がる可能性も期待できます。相手に良い印象を残せるよう、マナーを守った礼儀正しい年賀状を送りましょう。

やりとりの少ない方はメール等でもOK

すべての取引先に年賀状を送るとなると膨大な量になり、年賀状作成に多くの時間を費やすことになります。そのような場合は、年賀状を送るべきかどうか、取引先別に優先順位をつけることをおすすめします。

取引の件数や電話・メールのやりとりが少ない取引先は、年賀状ではなくメールなどで新年の挨拶をしても問題ありません。取引が少ないとはいえ、1回の取引が大きい場合や長年お付き合いがある場合は、毎年きちんと年賀状を出しましょう。

取引先への年賀状で知っておきたいマナー

取引先へ送る年賀状では、守るべきマナーがあります。せっかくの年賀状も、相手に不快な思いをさせてしまう内容では、マイナスイメージとなってしまいます。取引先と今後も良い関係を続けていくためにも、マナーを守った礼儀正しい年賀状を送りましょう。

ここでは、取引先へ年賀状を送る際に知っておきたいマナーを紹介します。ビジネス年賀状は、普通の年賀状とは書き方や気をつけるべき点がやや異なります。失礼のない年賀状を送るためにも、年賀状作成に取り掛かる前に基本的なマナーを確認しておきましょう。

宛先は念のため確認

取引先への年賀状は一般的に先方の会社宛に送りますが、社内でスムーズに仕分けできるよう、宛名面には会社名のほかに部署や肩書きも入れるのが基本です。

部署や肩書きについては異動があった場合、途中で変わっている可能性もあります。記憶だけに頼らず、宛名面を書くときは名刺やメールの署名などをチェックして今一度確認しておきましょう。
肩書きは名前の上に、やや小さめにするのが一般的です。

宛名の敬称に気を付ける

取引先への年賀状の敬称は宛先によって大きく異なります。
会社宛なら「御中」を使用しますが、特定の社員宛てに送りたい場合は個人名に「様」をつけます。
その場合、会社名には「御中」をつけませんので、二重敬称にならないよう注意しましょう。

賀詞の選び方に注意する

賀詞とは、お祝いの言葉を意味します。年賀状では「寿」や「迎春」といった1文字や2文字の賀詞を使用しているケースが多く見受けられますが、1文字や2文字の短い賀詞は取引先向きではありません。

「寿」や「迎春」といった、1文字や2文字の賀詞には、「おめでたい」「新年」といった意味しかなく、相手に対する敬意や丁寧さが含まれていません。目下の方への年賀状に使用する場合は問題ありませんが、取引先への年賀状の使用はマナー違反となるため注意しましょう。

取引先に送る年賀状では、「謹賀新年」「恭賀新年」などの4文字の賀詞や、「新春のお慶びを申し上げます」「謹んで初春のお喜びを申し上げます」などの文章の賀詞を使用します。「謹んで」や「恭しく(うやうやしく)」など、相手を敬う漢字が含まれているため、礼儀正しい新年の挨拶ができます。

個人的な近況報告は避ける

本来、年賀状は新しい年を迎えたことを祝い、相手の幸せを願うために送る挨拶状です。相手のことや今後のことを書くことが基本であり、個人的な近況報告をする場ではありません。

友人や家族に送る年賀状では、新年の挨拶とともに近況報告をする方が多く見受けられますが、取引先に送る年賀状では、個人的な近況報告を避けるのがマナーです。

相手によっては、親しいお付き合いがあり、個人的な近況報告をしたい場合もあるでしょう。そのような場合は、近況報告が内容のメインとならないよう、文面の最後に一言書く程度にします。

写真の使用は控える

結婚式の写真や子どもの写真など、お気に入りの写真を使用して年賀状を作成する方は多いでしょう。しかし、写真を使用した年賀状は、近況報告の意味合いが強く、取引先へ送る年賀状としてはふさわしいとは言えません。

プライベートでお付き合いがある場合は問題ありませんが、ビジネスのみのお付き合いの場合は、プライベートの写真を使用した年賀状は避けた方が良いでしょう。

しまうまプリントの年賀状では、写真を使用しないデザインも豊富に取り揃えています。写真を使わないデザインに困った場合は、しまうまプリントの便利な年賀状印刷サービスをご利用ください。

元旦に届くよう、早めに年賀状を投函する

年賀状は松の内(関東なら1月7日、関西は1月15日頃)の期間内に出すのがルールです。確実に元旦に届くようにするには前年の12月25日までに年賀状を投函しなければなりません。
なかには25日以降に投函しても元日に配達してくれる場合もあるようですが、地域差が大きいため、期日を守ったほうが無難です。

取引先への年賀状で使える文例集

友人や家族に送る年賀状は、写真を使用したり近況報告をするなど、内容に悩むことはないでしょう。一方で、取引先へ送る年賀状は、失礼のない言葉遣いや年賀状のルールを意識するあまり、「どのような文面にすれば良いかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

ここでは取引先への年賀状に使える文例を3つ紹介します。あわせて、手書きで書くと喜ばれる一言メッセージも紹介しますので、取引先の年賀状作成の参考にしてください。

文例1

新春のお慶びを申し上げます
皆様におかれましては お健やかに新春をお迎えのことと存じます
旧年中に賜りましたご厚情に感謝いたしますとともに
本年も更なるご愛顧の程よろしくお願い申し上げます
令和●年 元旦

文例2

謹んで新春のお慶びを申し上げます
平素より格別のお引き立てを賜り 厚く御礼申し上げます
皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたしますとともに
本年も何卒ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます
令和●年 元旦

文例3

謹賀新年
旧年中はひとかたならぬご高配を賜り 誠にありがとうございました
おかげをもちまして弊社も創業十年目を迎えることができました
これもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたしております
本年もご期待に応えるべく精進してまいりますので
昨年同様に変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます
令和●年 元旦

手書きで書くと喜ばれる一言メッセージ

取引先には、関係各社から多くの年賀状が届くでしょう。定型文だけの年賀状は、どの会社も似たような文面になってしまい、他の年賀状に埋もれて読んでもらえない可能性もあります。他の他社と差をつけるためにも、基本的な文例に加え、手書きで一言メッセージをプラスし、印象に残る年賀状にしましょう。

「旧年中は〇〇(プロジェクト名)において 〇〇さんには格別のご厚情を賜りましたこと御礼申しあげます」
「〇〇さんがおっしゃっていた新規プロジェクトに 私も御協力させていただければ幸いです」

取引先への一言メッセージには、旧年中のお礼やお力添えをお願いする言葉など、前向きな一言を添えると好印象になります。相手のお名前やプロジェクト名などを明確に記載するのも良いでしょう。

まとめ

近年は、メールやSNSなどの普及により、年賀状ではなく、メールで新年の挨拶を行う企業も増えています。メールは紙の年賀状に比べ、手間やコストがかからないことがメリットですが、年末年始には関係各所から挨拶メールが届くため、印象に残すことや他社との差別化を図ることは難しいと言えるでしょう。

手元に残る年賀状は、取引先へきちんと誠意を伝えることができます。また、日頃の感謝の気持ちを伝える絶好のチャンスでもあります。これから取引を増やしたい取引先の場合は、年賀状を送り、良い印象を残すことで、新たな取引が始まるきっかけになることもあるでしょう。

旧年中の感謝の言葉と、今後のお付き合いをお願いする前向きな言葉を添えた、丁寧な年賀状を送ることが大切です。年賀状で取引先との大切な繋がりを強化してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。

よくあるご質問

取引先に年賀状を送る場合、会社宛てと個人宛ではどのような違いがありますか?

会社宛と個人宛では宛名の敬称が異なります。
会社宛なら「御中」を使用しますが、特定の社員宛てに送りたい場合は個人名に「様」をつけます。
その場合、会社名には「御中」をつけませんので、二重敬称にならないよう注意しましょう。

こちらの記事内では、取引先に年賀状を送るメリット、マナーや書き方をご紹介しています。

取引先に年賀状を送るメリットはありますか?

年賀状のやり取り自体が減少傾向にある現在、わざわざ手間と費用をかけてまで取引先に年賀状を送る必要はないのでは?と考える人も少なくありません。取引先に年賀状を送ると、ビジネスのうえでメリットはあると思います。詳しくはこちらでご紹介しています。

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