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年賀状は昔からある伝統的な挨拶状の1つです。本来であれば年齢や性別に関係なく、どなたに送っても失礼にはあたりません。ただ、退職した後、元同僚や元上司に年賀状を送るべきか、あるいは災害によって被災した方など、「おめでとう」といいづらい相手にはどういう年賀状を送ればよいのか悩んでしまう方は多いようです。そこで今回は、年賀状を送っていいか悩んでいる場合の対処法や、宛先別の挨拶文の一例を紹介します。
年賀状を送るべきかどうか悩むシチュエーションは人によって異なりますが、結論からいうと相手が喪中でなければ年賀状を送っても問題はありません。
ただ、相手が余計な気を遣ったり、辛い思いをしたりしないよう、年賀状に書く挨拶文には十分配慮する必要があります。
定型文をそのまま使ってしまいがちですが、配慮が必要な相手には適さない単語が含まれていることもあるので注意しましょう。
以下では元上司や元取引先、元同僚・元部下の2パターンに分けて挨拶文の一例を紹介します。
謹賀新年
在職中は大変お世話になり厚く御礼申し上げます
○○さんにご指導いただいたことを活かしつつ 新しい職場で精進いたしております
皆様のますますのご活躍をお祈り申し上げます
新年あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になりました
わたしは新しい職場に早く慣れようと日々奮闘中です
お互い体を大切にしながら精進していきましょう
また元気にお会いできる機会を楽しみにしています
災害に遭って被災された方や闘病中の方に年賀状を送る場合、挨拶文には「おめでとう」というニュアンスを感じさせない言葉を選ぶのがマナーです。
新年を祝うよりも、相手への気遣いや思いやりのある心がけた挨拶文になるよう意識しましょう。
具体的に抑えておきたいポイントと、挨拶の文例をまとめました。
もともと年賀状にはネガティブな表現を意味する「忌み言葉」を使用しないというルールがありますが、つらい思いを抱いている方に年賀状を送るときはより配慮しなければなりません。
特に「去」や「失」「病」「閉」「戻」などの漢字は意図せずに使ってしまうことが多いので気を付けたいところです。
ほかにも、同じ言葉を重ねる繰り返し言葉(くれぐれも、重ね重ねなど)や、死を連想させる言葉(終わる、生きているなど)などは控えるようにしましょう。
大変な目に遭われている方に対し、「かわいそう」「なぐさめてあげたい」という気持ちを抱くのはごく自然なことですが、年賀状では過度に感情的な表現や、不用意な慰めの言葉は避けたほうがよいでしょう。
たとえば、「頑張ってください」「不幸中の幸いでしたね」などの言葉は、たとえ本人に悪意はなくても、受け取った相手が不快な思いをする可能性があるので控えましょう。
添え書きは気持ちを込めることが大切ですが、あくまでもシンプルに、相手の幸せを願う言葉を入れるのがおすすめです。
以下に具体的な添え書きの一例を紹介します。
「幸多き年でありますようお祈り申し上げます」
「新しい年が穏やかな1年になるよう心からお祈り申し上げます」
「1日も早い復興(快復)を心からお祈り申し上げます」
こちらも参考
年賀状の書き方と知っておきたいマナー
身内が亡くなったことを知らせる喪中はがきが届いた場合、年賀状を送る必要はありません。
ただし、松の内が明けたら書状をいただいた御礼とともに、お悔やみの言葉を添えた寒中見舞いを出すのが一般的です。
松の内の期間は地域によって差があり、関東では1月7日、関西では1月15日頃が目安です。
関東と関西では1週間ほど差があるので、宛先の住所に合わせて間違わないようにしましょう。
喪中はがきの返信を兼ねた寒中見舞いの文例を紹介します。
「このたびはご丁重なご挨拶をいただきありがとうございました」
「○○様がご逝去されてから、ご家族の皆様はさぞかしお寂しい毎日をお過ごしのこととお察しいたします」
「遅ればせながら、謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます」
「新年はご服喪中により、ご挨拶を控えさせていただきます」
「ご家族様におかれましては穏やかな新年を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます」
相手から喪中はがきが届かず、喪中だと知らないまま年賀状を出してしまった場合、たとえ自分に過失はなくてもすぐにお詫びの連絡を入れましょう。
その後、松の内が明けた後にあらためて寒中見舞いを出しますが、文頭ではまず年賀状を送ってしまったことについてお詫びしましょう。
具体的な文例には以下のようなものがあります。
「拝啓 ご服喪中のこと存じ上げなかったとはいえ、新年のご挨拶を申し上げ大変失礼いたしました
遅ればせながら謹んでご冥福をお祈りいたします」
「○○様ご逝去のこと存じませず、賀状を差しあげて失礼いたしました」
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